またしてもあっという間に黄金週間は過ぎ去り、4月にはてなブログを書いていなかったことに気づく。
4月は不安定な気候だったけど、映画館にちょっぴり足を運べて(そりゃ入り浸ってた頃に比べたら雲泥の差だけど)、映画的には幸福な月だった。
それは、レオス・カラックスによる40分弱の最新作『IT'S NOT ME』と、アラン・ギロディの最新作『ミゼリコルディア』を観ることができたからだ(特集として『湖の見知らぬ男』『ノーバディーズ・ヒーロー』も上映)。
ギロディは2017年にアンスティチュ・フランセで『湖の見知らぬ男』を観て以来になるが(その時の衝撃たるや)、劇場で一般公開されるのは初めてなので喜ばしい状況である。
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レオス・カラックスの『IT'S NOT ME』は、カラックス自身によるカラックスのイメージ・コラージュ。
始まるなり、ゴダールへのオマージュ感が伝わってくる。
ただ、ゴダールほど気難しくはない。つまりゴダールがいかに気難しい人物であったかが窺い知れる。
しかも40分ちょっとなので、楽に観られる。
そして……
アラン・ギロディの最新作『ミゼリコルディア』は、かつて修業をした村のパン屋の主人が亡くなり、その葬儀に訪れた青年を取り巻く奇妙な村人たちを描いていく。
やがてその村で謎の失踪事件が起こるのだが、一瞬『テオレマ』を思い起こすほど、のらりくらりとした青年の周囲で人々が色めき立つ。
そして、青年と神父の告解シーンの異様な密度に戦慄する。
「ミゼリコルディア」とは、「慈悲」あるいは「あわれみ」という意味らしい……深く感じ入ってしまう。
必見!
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この後の映画旅は、オリヴェイラ監督特集とロウ・イエ『未完成の映画』へと続くのだった。
Bon Voyage★