2泊3日で東京へ行っていた。
TIFFでは、ケリー・ライカート『マスターマインド』とチャン・リュル『春の木』を観た。

私のコンディションのせいもあるのかもしれないが、あまり響かなかったというか(もちろん良く言う人もいる)、その後の時間をパッとしない気分で過ごすことになった。
少し前には、ヤン・シュヴァンクマイエル特集や『テレビの中に入りたい』、ブライアン・イーノのドキュメンタリー『Eno.』(観る度に変わるらしい)、PTAの新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』など、いくつか観てはいたのだが、書かないまま時間が流れてしまった。
特に、イーノのドキュメンタリーは素晴らしくて、彼の暮らしぶりや作業風景、仲間たちの映像など、どれも興味深いものだった。

TIFFでの『マスターマインド』は、ベトナム反戦運動や女性人権運動に揺れる1970年代を背景に、妻と子がありながら美術品の窃盗に手を染めて追われる身となり、ただ流されていく平凡な男の姿を、ドラマチックな要素を排除して淡々と描いている。
だから何だって感じなのだけど、こういうどうしようもない男って結構いたりするのだ(なぜか妻がいたりする)。

『春の木』は、女優を辞めて猫連れで故郷の四川に戻った女性(方言が話せなくなっている)が、自分に標準語を叩き込んだ師に再会し、その息子と交流を深めていく。
また、自分を産んだ母親(いまだに男とすったもんだしている)ともやり取りするようになる。
猫は猫で、思うところがありそうだ。
そんな様々な視点がとりとめなく展開する。
何となくのらりくらり加減が好きな人と、自分探し的な世界が苦手な人に分かれそうだ。
映画祭の合間にワタリウム美術館で素晴らしい展示を観たので、近いうちに書いてみたい。
寒暖差が激しい不安定な気候の中を動き回ったせいか、風邪っぽくなってしまった。
これを読まれた貴方も、どうぞご自愛ください。
Bon Voyage★