このところ、他にも魅力的な展示を観たのですが、まるで魂の故郷のように感じた展覧会「プレイプレイアート展」についてまずは取り上げてみたいと思います。
(3/19~7/23 @ワタリウム美術館)
かなり以前、この美術館の近くに住んでいたこともあり、親しみを感じる素地は十分である上に、扱っているアーティストも、自分の魂に巣食っているところがあるのです。
会場内の好きな場所で、ゆっくり時間を過ごしてほしいという願いがこめられた展覧会なのだそうです。キャンプスツールも借りられます。
展覧会でも展示されている写真が数多く収録されている写真集まで、地下のオン・サンデーズで手に入れてしまったのでした。
エレベーターで2Fに着くなり、アンディ・ウォーホルやニキ・ド・サン=ファル、ナムジュン・パイク、オノ・ヨーコ、ルネ・マグリットらの作品がお出迎え。
雨が多くてお花見が満足にできなくても、会場でお花見ができそう。
そして…
バーンと、小谷元彦の『Surf Angel』が現れます。
ずっと以前、よく本屋さんの片隅でドキドキしながら覗き見ていた、ジョエル=ピーター・ウィトキンの写真を展示で堂々と見る感動。
ダイアン・アーバスの世界も、静かなインパクトでそこにあります。
デュアン・マイケルズの、夢の断片メモのような手描きテキストが添えられた写真。
1枚1枚に謎めいたドラマが凝縮されています。
天使は如何様にも表現できるからこそ、厄介であり魅惑的なのかもしれません。
3Fにも、作品がぎっしり。壁には、アレクサンドル・ロトチェンコの写真たち。
4Fは、まるで公園のよう。導入部にもパイクの作品が。
子供の頃の生家にあったブランコが現れたみたいで、びっくりしました。
その向こうには、ファブリス・イベールの彫刻噴水「ベシーヌの人」。
フランスのベシーヌという村のために制作され、100以上ものクローンやコピーが地球上に広まっているそうです。
これでもほんの一部で、まだまだ紹介しきれないほど色々な作品が詰まった展覧会。
何度でも遊びに行きたい、ここで時間を過ごしたい、と思っています。
冒頭で“魂の故郷のような”と表現したように、地下の本屋さんやカフェ、1Fのカードショップまでひっくるめて、子供の頃の遊び場のように愛おしい場所なのだと改めて感じたのでした。